体の一部で起こっている不具合に対して、直接的な対策をするアプローチではなく、 体全体のバランスを見ながら、主に自己治癒力を中心にして不具合を改善するアプローチは、「ホリスティック医学」と呼ばれています。
処置をするのは、体ですが、心の状態の改善にも効果があることが知られており、 脳科学 とも、とても関りがあるようです。
数千年の年月をかけて蓄積された知識を使うものだけでなく、近代の医学の知識を使うものもあります。
東洋医学 と 背骨へのアプローチ は、その中でも筆者が実際にお世話になっているものを取り上げています。
ホリスティック医学は、人によって、内容がだいぶ違います。
「ホメオパシーってなぁに? ドイツ生まれの自然療法」 CHhom 編 橋本美里 絵 ホメオパシー出版 2011
ホメオパシーは、レメディーで治す治療法。
レメディーは、薬を含んだ砂糖玉。
レメディーに使う薬は、自然のものを使う。
「薬は薄くても効果がある」という理論によって、極限まで薄めたものを使うので、身体の負担が少ない。
「同種療法」といって、症状と似た特徴を持つ物質を摂取すると効果がある、と考えている。
この考え方に基づいて、症状と物質の対照表が考案されている。
ホメオパシーは、19世紀にドイツで生まれましたが、
五行説
を再発見したような理論になっています。
「ホリスティック 家庭の医学療法 現代の西洋医学と伝統の自然療法の統合 セルフメディケーションのすゝめ
一般的な病気に対する5つの療法」 ヴィクター・シエルピナ 監修 ガイアブックス 2010
様々な病気について、西洋医学、中国医学、ナチュロパシー自然治癒法、ホメオパシー療法、ハーブ薬療法の、5つの視点で治療法が解説されています。
「この症状には、これをする」という形の、対処療法を中心にしてまとめられています。
「身体全体の様子を見る」、「原因を調べて原因に対策する」という書き方はしていません。
「ホリスティック医学入門 治りにくい病の根源を探る」 降矢 英成 著 農山漁村文化協会 2019
この本で、ホリスティックなところは、2つあるようです。
一つは、様々な質問による問診で、その人の状態を把握する点です。
もう一つは、治療方法が多彩なことです。
「うつ・心の病気 本気で治したいあなたに贈る本 ホリスティック医療で心がスーッと軽くなる」 信田広晶 著 現代書林 2016
精神的な病気には、すぐに薬を使うのではなく、ホリスティックに患者を診察して、音楽療法、森林療法、アートセラピー、アロマセラピーなども織り交ぜて行く治療を解説しています。
「ホリスティック医学の生みの親 エドガー・ケイシー療法のすべて 成人病からアンチエイジングまで完全網羅!」 光田秀 著 ヒカルランド 2020
「神経系の疾患では、仙骨の異常が見られることが多い。」といった見方をします。
起きている問題の原因を調べる時に、先入観なく、体全体を調べて、他に異常が起きているところがないのかを調べています。
ケイシー療法の最大の特徴は、キリスト教の考え方を使った原因分析と対策が入っていることで、
原因として、霊的なはたらきが指摘されることがあります。
対策としては、「聖書のここを読む」といったものもあります。
「チベット医学入門 ホリスティック医学の見地から」 トム・ダマー 著 春秋社 1991
チベット医学は、中医学と似ています。
異なるところは、仏教の考え方が治療に取り入れられているところのようです。
この本は、ホメオパシーやオステオパシーとの類似にも触れられています。