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グラフフーリエ変換とスペクトルグラフ理論

グラフフーリエ変換とスペクトルグラフ理論は、 フーリエ変換スペクトル解析 の考え方を、 ネットワークグラフ の分析に応用したものです。

「独立した成分の足し合わせで全体ができている」と考えて、全体を分解して分析する点や、 その独立した成分には、「高周波・低周波」と分けられる特徴がある点が、 フーリエ変換を使った スペクトル解析 と似ています。

ネットワーク分析 としては、新しい視点です。

主成分分析との類似

グラフフーリエ変換の実際の手順は、 隣接行列の固有値分析 になります。

独立した成分として出て来るものは、固有値や固有ベクトルです。 そのため、手順や分析する時のデータの見方は、 主成分分析 と似ています。

主成分分析では、固有値の大きいものを優先的に分析しますが、スペクトルグラフ理論では、固有値の小さいものが「低周波」に相当し、大域的な特徴を表すものになるので、固有値の小さいものを優先的に分析する点が違っています。



参考文献

グラフニューラルネットワーク」 佐藤竜馬 著 講談社 2024
グラフニューラルネットワークへの応用の説明の前に、フーリエ変換の説明からあります。
・スペクトルグラフ理論:フーリエ変換をグラフ構造に対して行う。 隣接する頂点と符号が異なると二乗和が大きくなるように関数を定めて、式を展開する。 すると、ラプラシアンと呼ばれる行列(次数行列 ― 隣接行列)の固有値で、グラフの構造を分析できるようになる。 例えば、小さな固有値が4つある場合、ノードは4つのグループに分かれる。


グラフ信号処理の基礎と応用 ネットワーク上データのフーリエ変換,フィルタリング,学習」 田中雄一 著 コロナ社 2023
ネットワーク構造における信号処理の方法や分析方法を紹介しています。


ネットワークダイナミクス入門」 会田雅樹 著 森北出版 2020
振動モデルとして、社会のネットワーク構造を分析しています。


スペクトルグラフ理論 線形代数からの理解を目指して」 吉田悠一 著 サイエンス社 2024
電気回路の例などもありますが、数学的な研究の本になっています。


ネットワーク学習から経済と法分析へ」 久野遼平・大西立顕・渡辺努 著 サイエンス社 2024
経済ネットワークや法律の構造の分析があります。




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