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クリティカルシンキングは、日本語にすると、「批判的思考」です。
ロジカルシンキング に続く思考法として、紹介されることが増えています。
「クリティカル」は日本語で「批判的」ですが、誤解されることがあります。
「批判する」という言葉は、「非難する」、「相手を責める」という意味合いで使われることがあります。 おそらくそこから来ていると思うのですが、「批判的思考」は、「否定的思考」や「懐疑的思考」などのネガティブな思考のようなイメージが持たれることがあります。
しかし、クリティカルシンキングは、積極的に物事を前に進めようとするので、ポジティブです。
「一度、確認してみる」という意味では、否定的・懐疑的な考え方もしますが、いろいろな考え方をする中のひとつであって、メインの考え方ではないです。
クリティカルシンキングは、 ロジカルシンキング と似ています。
ロジカルシンキングは、「頭の整理をすることで、考えが順次まとまっていくもの」という感じで、スマートで効率的な活動のように認識されていることが多いようです。
クリティカルシンキングは、「今まで当たり前だと思っていたことを、根底から確認する」、「暗黙になっている前提や制約条件が、何なのかを確認する」というように、自分の垣根を意識して、それを超えた領域を見て行こうとします。 指摘するだけなら簡単ですが、実行可能なところ解を見つけて、実行する時は、針の穴を通すような思いをすることがあります。
クリティカルシンキングの本は、著者によって、内容がまったく違います。
「図解で学ぶクリティカル・シンキング トゥールミン・モデルを活かして」 椎名紀久子・後藤希望・森川セーラ・南塚信吾 アルファベータブックス 2022
トゥールミン・モデルに当てはめて、思考の正しさを確認する方法を提案しています。
トゥールミン・モデルというのは、
@Data(根拠)、ABacking(裏付け)、BWarrant(論拠)、CClaim(主張)の、4つの部分があります。
Dataから、Warrantを経てClaimを導きます。
Backingは、Warrantに対しての裏付けです。
「クリティカルシンキング入門 超一流のコンサルが教える」 吉澤準特 著 PHP研究所 2024
・「それなら」と考えるのが、ロジカルシンキング。
「むしろ」と考えるのが、ラテラルシンキング。
「そもそも」と考えるのが、クリティカルシンキング。
・PAC思考は、P(Premize:前提)、A(Assumption:条件)、C(Conclusion:結論)を確認しながら進める思考法。
PとAが合っていれば、Cを間違えない。
Cが上手く行っていない時は、PやAに立ち返る。
「クリティカル・シンキング 集中講座 「問題解決力」を短期間でマスター」 芳地一也 著 アスペクト 2010
「問題だ」と言って、問題の前で停滞せずに、積極的に解決を進めていくあり方を提案しています。
「問題だ」ではなく、「どうすれば、解決するのか?」という疑問文に変換してから、検討を開始するのがポイントです。
「クリティカルシンキングで学ぶ データリテラシー」 小林みどり 著 共立出版 2025
クリティカルシンキングの考え方で、データを使って説明されていることをチェックするあり方を説明しています。
「統計的探究プロセスにおける批判的思考の様相とその役割に関する研究」 新井仁 著 東洋館出版社 2024
批判的思考の具体的なアプローチとして、データを取って、データから考察していく方法を説明しています。
実際にやってみた事例があります。
「結局、仮説で決まる。 思考を発散させて可能性を広げるクリティカル・シンキング」 柏木吉基 著 日本実業出版社 2023
・著者はデータ分析の専門家ではあるが、仮説の設定を重視している。
・仮説を立てる時は、ゴール(目的)の設定が大事
・データ分析は、仮説の裏付けで使うもの
・ロジカルシンキングでは、自分が最初から考えていたことくらいしか出て来ない。
この限界を超えるには、「本当にそうなのか?」と、批判的に考えるクリティカルシンキングを使う。
「ビジネスパーソンのためのクリティカルシンキング入門 VUCAの時代の思考のヒント」 吉岡順次 著 ビジネス教育出版社 2023
問題解決の手順
の中に、論理的な正しさや、因果関係の確認を強化しているような内容です。
「クリティカル・シンキングがよ〜くわかる本 ビジネスと人生設計の課題解決法入門」 今井信行 著 秀和システム 2007
問題解決の手順は、「課題の設定 → 分析 → 検証 → 意思決定」の4段階です。
様々なフレームワークを駆使して、この手順を進めて行くあり方を提案しています。
「最強のクリティカルシンキング・マップ あなたに合った考え方を見つけよう」 道田泰司 著 日本経済新聞出版社 2012
「クリティカルシンキング」という名前は同じでも、ビジネス、論理学、心理学など、様々な分野で内容が異なることについて、著者の視点で整理をしています。
「実践! クリティカル・シンキング」 丹治信春 著 筑摩書房 2023
論理的な推論について、推論の構造や、言葉の使い方を解説しています。
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