以下は、筆者の私見です。 誤解があれば、ご教示いただけると幸いです。
頻度論とベイズ統計の違いとして、上記の違いが説明されることがあります。
ただ、筆者としては、この対比は正しくないと思います。
ちなみに、筆者が両者の違いと考えているのは、「ベイズの定理を論拠として使うか」が一番の違いです。 もしかしたら、これだけかもしれないです。 尤度モデル を積極的に使ったり、主観確率というものを使ったりすることも、ベイズ流の特徴ではありますが、これらは、ベイズの定理とは独立して使えるアイディアと思います。
「現在、世の中に頻度論とベイズ統計学の2つがある」ということと、 「統計学の考え方は、相反する2つのものしか、あり得ない」ということは、別の話と思います。 しかし、「2つしかない」という話になり、相反するものとして説明されているようです。
そして、どこが相反しているのかを説明するものとして、変数とパラメタの関係が持ち出されたようです。
「データがパラメタ」というのは、 尤度モデル にある解釈です。
ベイズの定理の実務向けの数式の中に、尤度モデルを取り入れたから、「データがパラメタ」となっているのであって、ベイズ統計だからデータがパラメタになっている訳ではないです。
また、頻度論の範囲でも、尤度モデルを使うのなら、「データがパラメタ」という式を扱うことになります。
頻度論で直接的に扱うのは、母平均や母分散ではなく、データから求めたものです。 データが変数なら、データから求めた平均も変数になります。