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データサイエンス教室

問題解決と課題達成

問題と課題は、日常用語としては同じ意味で使われることがありますが、 QCストーリー に問題解決型QCストーリーと課題達成型QCストーリーがあるように、 会社の中の用語としては、明確に使い分けられていることもあります。

問題は、現在あるべき姿と実際とのギャップです。 不良品の発生や、機械の故障などが入ります。

一方、 課題は、未来にありたい姿と実際とのギャップです。 新規の業務の実現などになります。

ただし、問題の解決策として、新規の業務を始めたいことがあるので、 同じことに対して、問題と考えたり、課題と考えたりすることがあります。 経験的には、問題と考える方が、進めやすいことが多いです。

問題解決や課題達成の中心にあるのは、起きていることや起こそうとしていることです。 データサイエンス は、それらを進める中での現状把握や要因解析の要所要所で、重要な役割を果たすことがあります。

問題解決の目の付けどころ

「問題が解決すれば良い」と考えるのなら、目の付けどころは、いろいろあります。 問題解決の手順 は、思いこみや思い付きだけで解決策を決めないような方法論になっています。

ただし、あらゆる解決策を机上で検討するよりも、実際に試してみた方が、 はるかに早く、確かな情報を得られることもあるので、事前の完璧な検討が必ずしも良い訳ではありません。

原因系に取り組む

因果推論 がしっかりできていれば、根本的な解決ができることがあります。 「恒久対策」と言われるものの多くは、これに当てはまります。

結果系に取り組む

「応急対策」や「暫定処置」と言われるものの多くは、こちらに当てはまります。

手抜きのように思われることもありますが、 原因が問題の認識のされ方にある場合などは、現実的な対応として一番有効なこともあります。

課題達成の方法

繰り返し実施していることや、ルールに従って実施していることは、 コンピュータは、人間よりも、速く、正確に、安く、疲れずにするのが得意です。

このため、多くのの企業では、「IT化」が進められました。 IT化では、コンピュータシステムが導入されます。 IT化による効率化は、人間の作業だけを改善することと比べると、 桁違いの効果があるため、新しい市場を生むくらいの威力もあります。

2010年代からは、システムで扱うデータの種類や量が増え、 また、 人工知能 がシステムの機能に加えられるようになっています。 期待のされ方は、大変なものがあります。

課題達成の方法、つまり、新しく何かを始める方法は変わりつつあります。

ただし、問題解決の方法に様々な目の付けどころがあるように、 課題達成の方法にも、そうしたものがあります。 システム化が、ベストな方法とは限りません。

また、 人工知能 が使うのは、 データサイエンス の中の、 予測 の分野です。 他の分野の利用にも、新しい可能性があるかもしれません。



参考文献

問題解決フレームワーク大全」  堀公俊 著 日本経済新聞出版社 2015
ギャップ、創造的、合理的決定、ポジティブ、対立解消、認知転換、ホールシステムの7つのアプローチに、様々な方法を分類しています。
ギャップ : ロジックツリー(系統図)、親和図、因果関係分析(相関分析)、ベンチマーキング
創造的 : 自由連想(ブレーンストーミング、マインドマップ)、結合発送、類似発送(NM法)、ブレークスルー思考(理想から考える)、 デザイン思考(共感から始める)
合理的決定 : プロコン(相反する意見を考える)、デシジョンツリー
ポジティブ : GROWモデル(目標に向かって進む)、アドラー心理学(行動の原因を、感情ではなく目的で考える)
対立解消 : 制約理論(思考の前提条件に焦点を当てる)
認知転換 : 質問会議(質問で問題点をあぶり出す)、ジョハリの窓(二人の知っているもの、知らないものを分類する)、 ABC理論(非合理的な信念(mustやshould)から合理的信念(may、can、will)へ)
ホールシステム : ワールドカフェ(メンバーを変えながら少人数で話す)


問題解決大全」  読書猿 著 フォレスト出版 2017
問題の認知、解決策の探求、解決策の実行、結果の吟味の4段階で問題解決のステップを考えています。 これらの各段階で役に立つ方法を紹介しています。
QCストーリーでは、結果系を「問題」として、原因系を「原因」や「要因」と呼んで区別しますが、 この本では、原因も「問題」に含まれています。
著者は、現実の問題では、結果と原因が単純な構造でつながっているわけではないこともあるので、 原因を特定して、それをなくせば問題が解決するアプローチができないことも想定しています。 このような問題の解決法としては、 悪循環がどのようなループで起きているのかを調べる、 あえて問題を起こしてみる、不完全とわかっているプランを実行しながら次のプランを練る、 問題となる状況を変えて問題ではなくしてしまう、などが挙げられています。
フェルミ推定 : 桁の大きさを推定する方法。様々な情報から上限と下限を見極めて、値がどのくらいになるのかを見積もる。


アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール」 ブライアン・クリスチャン、トム・グリフィス 著 早川書房 2017
コンピュータ処理のために考案されてきたアルゴリズムを、日常生活にも利用しようとしている本です。 扱っているアルゴリズムは、最適停止、探索、ソート、キャシュ、スケジューリング、 ベイズの法則オーバーフィッティング 、緩和法、ランダム性、 ネットワーキングゲーム理論 です。
全般的に、限られた時間と情報の中で、ベストと思われる行動をするための話をしている感じでした。


問題解決 あらゆる課題を突破するビジネスパーソン必須の仕事術」 高田貴久・岩澤智之 著 英治出版 2014
問題の特定、原因の追究、対策の立案、対策の実行、結果の評価と定着化の順になっていて、 QCストーリーと同じでした。
原因の追究は、 連関図 となぜなぜ分析が中心で、 論理的なつながりを確認しながら、掘り下げていきます。


新人コンサルタントが入社時に叩き込まれる「問題解決」基礎講座」 松浦剛志・中村一浩 著 日本実業出版社 2016
QCストーリーとほぼ同じステップで進みます。
時間が限られていることを意識しつつも、物事を簡潔に表現しながら、網羅的に検討することを説明しています。
対策立案を網羅的にする考え方として、オズボーンの9つのチェックリストや、SCAMPERの7つの質問リストを紹介。


図解基本ビジネス思考法45」 グロービス 著 ダイヤモンド社 2017
45種類の「○○思考」が7つに分類されて、体系的にまとめられています。 筆者なりに分類すると、、統計的、ニーズ、シーズ、といったキーワードに注意する思考法や、 全体を見たり、違う立ち位置から見たりなどの、物事の見方が重要な思考法が多いように思いました。


世界で最も美しい問題解決法 賢く生きるための行動経済学、正しく判断するための統計学」 リチャード・E.ニスベット/著 青土社 2018
かなり断定的に、「正しい物事の考え方」を解説しています。
方法論の 行動経済学 による人間の行動のクセの知見を参考にしつつ、 因果推論 関係の統計学と、論理学を使って、客観的に物事を検討する話があります。


システム工学」 中森義輝 著 コロナ社 2002
いろいろな方法が少しずつ紹介されています。 ソフトシステム方法論として SSM が、創造手法として ブレーンストーミング が、登場します。




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