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認知心理学と現象学

認知心理学は、記憶の仕組みや推論、等を扱います。 筆者には、「認知心理学」というよりも、「認知機能学」の方がぴったりではないかと思います。 人間の認知の仕組みを解明しようとしている学問で、あまり、「心理」という感じはしません。

認知心理学は、人間の研究の成果を、 人工知能 に応用しようとしている分野です。

プライミング効果

前の経験の影響を受けて、判断してしまう効果

スキーマ

「典型例」や「型」のことです。 これがあるから、細部の情報が足りなくても、相手の言うことがわかるそうです。

素朴概念

経験的に知っている自然科学のモデルです。 例えば、野球で守備をしている時に、ボールが落ちる場所を予測し、移動し、グローブを出してキャッチするのは、 物理学を知らなくてもできます。

現象学

現象学は、哲学の一分野です。 当たり前と思うことが、なぜ、当たり前と思うのかを研究している分野になります。

現象学は、認知の方法のひとつに アナロジー があり、アナロジーをするには抽象化が重要ですが、 現象学では、抽象化を突き詰めて行こうとしています。



参考文献

認知心理学

情報処理心理学 :情報と人間の関わりの認知心理学」 中島義明 著 サイエンス社 2006
メタ認知・処理資源・記憶・プライミング効果・スキーマ・基準・素朴概念・認知地図・ヒューマンエラー 、の解説がコンパクトにまとまっています。


認知心理学」 海保博之 編 朝倉書店 2005


認知心理学を知る」 市川伸一・伊東裕司 編著 ブレーン出版 1996


認知心理学のすすめ」 R.E.メイヤー 著 多鹿秀継 訳 サイエンス社 1983


認知心理学」 守一雄 著 岩波書店 1995


グラフィック認知心理学」 森敏昭 他 著 サイエンス社 1995


現象学

現象学という思考 <自明なもの>の知へ」  田口茂 著 筑摩書房 2014
確実と思うこと、自明(あたりまえ)と思うことについて、物、本質、類型、自我、変様、間主観性、といった言葉を手がかりに、なぜ、そのように思うのかを研究しています。
著者は、膨大な考察をこれらの概念の性質に対して、しています。 筆者の理解としては、「物(事)は、常に変わり続けるので、その意味では、確実な物(事)や自明な物(事)というものはない。 しかし、人は類型に当てはまれば、確実・自明と考える。 またこの時には、他人との共鳴もあり、これも、確実・自明と感じる根拠になる」ということが主旨のようでした。


<現実>とは何か 数学・哲学から始まる世界像の転換」  西郷甲矢人・田口茂 著 筑摩書房 2019
物理学や数学を「現実を書き表している学問」として、これらの学問の成り立っている構造を、 圏論と現象学が築いて来た思考の方法を使って、解き明かそうとしていうようでした。


数学と論理をめぐる不思議な冒険」 ジョセフ・メイザー 著 松浦俊輔 訳 日経BP社 2006
数学の証明が、証明であるとはどういうことなのか?、といったことに対して、 実際の証明がどのようなものであるのかや、数式で表される法則が、現実にはどのように起きているのか、と言った内容で、 答えを示そうとしています。 人は、完全無欠な論理に対して、納得したり、「美しい」と感じているわけではないことを伝えたいようです。
現実の話としては、統計的な現象が出て来ます。


数学の現象学 数学的直観を扱うために生まれたフッサール現象学」 鈴木俊洋 著 法政大学出版局 2018
数学の世界は、形式的な論理で理解される側面と、「数覚」と呼べるような感覚で直感的に理解される側面があり、 それらを関係付ける領域を体系化したのが、フッサールということのようです。 本の内容は、こうした関係を扱うための概念を解説した哲学書、という感じです。




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