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オントロジー

オントロジーは「概念の辞書」と呼ばれています。 いろいろな言葉の概念の、階層構造やネットワーク構造でできています。

例えば、「自動車」の下位の概念には、「トラック」、「セダン」、「バン」、等があり、階層構造が作れます。

オントロジーの検討は、 分析哲学 や、 概念分析 の一種です。

オントロジーの必要性

オントロジーは、ネットの意味分析(セマンティックWeb)で注目されているようですが、 物の意味や概念をコンピュータで扱おうとしていて、いろいろな分野の基礎のひとつになるものです。

言葉の階層構造を分析することによって、 網羅的かつ体系的に物事をまとめる事は、 思考法 や、 価値工学 等の中心的な中身です。 しかし、やってみるとわかりますが、 言葉のニュアンス等が、解析者の力量や、さじ加減に依存してしまうため、 一見、客観的な評価をしているようで、実際は非常に主観的な評価になったりもします。

価値工学等の、設計時の品質を扱う学問では、 製品の機能を要素に分けて議論することがあります。 特に名前がないようですが、「機能オントロジー」に近いものが作られています。

数学・論理学・認知学

オントロジーに再現性・客観性・完全性を求めるのなら、数学・論理学・認知学の視点も必要です。 論理学 の記号が出てきたりして、敷居は高く、筆者もよくわかっている訳ではないですが、 オントロジーの構築には不可欠のようです。

オントロジーの構造のグラフ

システムの2大構造(木構造とネットワーク構造) に木構造とネットワーク構造があります。 「自動車」の下位の概念として「トラック」、「セダン」、「バン」があるというような、階層構造を表すのなら木構造がぴったりです。

一方で、ある言葉を別の言葉の組合せで表現するような場合は、ネットワーク構造が合います。



参考文献

オントロジーの普及と応用」 來村徳信 編著 オーム社 2012
オントロジーの歴史的なことから、ツール、様々な使われ方まで幅広く解説しています。 かなり広くオントロジーを捉えているので、 Weka や部品表(BOM)が登場したりもしています。
業務や製品で使われる用語は、同じ単語でも、会社によって違う内容を表していることがあるので、 ソフトの連携等をする時には、オントロジーを使うことが有効。PSLXというツールがある。


環境のオントロジー」 河野哲也・染谷昌義・齋藤暢人 編著 春秋社 2008
「一般的に、物理的な視点で『環境』を見ることには慣れているが、それでは不十分なことがある。」 、というスタンスで、存在論から「環境」を見ることを論じています。 環境心理学認知心理学 、工学等の視点があります。 機能オントロジーも解説されています。


オントロジー工学」 溝口理一郎 著 オーム社 2005
「存在とは何か」という哲学的なテーマを、工学側から扱っている感じです。


オントロジー構築入門」 溝口理一郎 編 オーム社 2006
オントロジーの作り方の本です。オントロジーは暗黙情報を明確にするそうです。


オントロジーがわかる本」 赤間世紀 著 工学社 2010
広くいろいろと書かれています。論理の話が詳しめです。

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