p値が0.05よりも大きいので、「差はなし」ですね?
統計学の説明として、そのような教え方をする人がいらっしゃいますが、 筆者としては、賛成できません。
データを見てもわからない時に、判断をp値に委ねて、「統計的には差はないのです」と宣言したくなる気持ちは、筆者にも身に覚えのあるものですが、得策ではないです。 データを見てもわからないようなデータなら、「とりあえずこの方法で対策するが、様子を見ながら注意して進める」等の進め方が、現実的な対応と思います。
わかりやすい言い方が難しいのですが、例えば、 平均値の差の検定 が調べているのは、2つの平均値があった時に、その2つの数字が統計的に同じものと言えるかどうかです。 統計的に同じかどうかの程度がp値として計算されます。
例えば、体重が50.01kgと、50.05kgの人がいたとして、「差がある」と結論を出すのか?、という話になります。 体重は、一日の中でも変化するものなので、このくらいの差なら、「差はない」とするのが普通ではないかと思います。 しかし、平均値の差の検定をすると、このような差でも、p値が0.0000001といった値になり、「差がある」という話になることがあります。
p値が小さくても、「差がある」という結論にならない例から説明しましたが、ご質問のようにp値が大きくても、「差はない」という結論にならない場合もあります。
こちらの場合は、実際のデータの値そのものや、個々のデータの背景まで遡って判断する必要があります。