以下は、筆者の私見です。 誤解があれば、ご教示いただけると幸いです。
ポアソン分布 は、「稀に起きる事」、「滅多に起きない事」を分析するための分布として説明されることが多いですが、それは間違い、と筆者は考えています。
ポアソン分布は、「λを一定にして、nを無限大、pを0に近付けることで求まる分布」と説明されることが多いです。
「pを0に近付ける」という部分を、「極めて低い確率で起きる事を表現している」と解釈することが、誤った説明の原因になっています。
「pを0に近付ける」だけが注目されて、「nを無限大」が忘れられているのが原因のようです。
二項分布で、nを無限大にすることで、ポアソン分布は導出されます。 nを無限大にする時に、λは一定なので、pは0に近付くことになります。 導出で大事なのは、pが0に近付くことより、nを無限大にする方です。
10秒に1回起きることは、1秒当たりの発生確率は、0.1回です。 0.1秒当たりの確率は、0.01回です。 細かくすればするほど、確率は小さくなります。 確率は小さくなりますが、10秒に1回であることは、同じです。
nを無限大にするというのは、この例では、10秒を無限大まで細かくすることを意味しています。 ひとつの刻みの中で起こる確率は、極限まで0に近付きます。 しかし、これは「極めて低い確率で起きる事」という意味ではないです。 刻み方が極限まで細かいので、確率の値が極限まで小さいだけです。