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抜き取り検査

工場では、製造工程の途中や最終段階で、製品の検査をします。

ロット単位で生産しているのでしたら、 ロット内の全製品を検査したいところです。 しかし、全製品の一部のデータでロット全体の合否を判断したり、 全製品の物性値を一部のデータの値で代用することが、よく行われます。

抜き取り検査をする理由

顧客の立場からすれば、一部しか検査しないのは手抜きに見えるかもしれませんが、 抜き取り検査をする理由は、主に2つあります。

破壊検査の回避

ひとつは、破壊検査(製品が元に戻せないほど壊さないと、できない検査)をするケースです。 破壊検査を全製品にしていたら、出荷できる製品がなくなってしまいますので、一部の製品で実施するしかないです。

例えば、シリコンウェハ―だと、製品を割って断面を観察したり、製品を溶かして成分を分析する検査があります。

経済的なメリット

もうひとつは、経済的な理由です。 1つの製品の検査に時間がかかれば、受注から納品までの時間(リードタイム)が長くなって良くないです。 また、お金のかかる検査でしたら、検査の数を増やすほど、コストが増えてしまいます。

抜き取り検査の仕方

抜き取り検査の方法は、 JISになっているものもあります。

リスクの高い部分を重点的に検査

「同じロットの製品は均質とみなせる」ということなら、検査するサンプルはどれを選んでも問題ないです。

一方で、同じロットでも、「一番最初に加工したものが、一番品質が悪くなる」、「材料の位置によって、品質に違いがある」といったことが、 事前にわかっているのなら、一番品質が悪いとわかっているサンプルの品質を検査すると良いです。

抜き取り検査ができる場合

抜き取り検査は、以下のようなケースが当てはまるとできるようになります。 なお、生産者側の都合で決められるものではなく、基本的に、顧客と生産者の契約で決めるものです。




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