正準相関分析は、 多対多の分析 の一種ですが、 A-A型 や A-B型 とは違います。
A-A型 は、Aの中の要素同士の関係を調べる方法です。 要素として変数を考えれば、 変数の類似度の分析 に使えますし、 サンプルを考えれば、 サンプルの類似度の分析 として使えます。
A-B型 は、Aの要素とBの要素の関係を調べます。
正準相関分析は、Aの要素とBの要素の関係を調べる方法ですが、AもBも変数なので、
変数の類似度の分析
として使う方法です。
重回帰分析 は、説明変数の 線形和 と、目的変数の相関が最大になるように、線形和の係数を求めます。
正準相関分析では、目的変数も複数あって、それらの線形和を想定します。 そうして、目的変数の線形和と、説明変数の線形和の相関が最大になるように、これらの線形和の係数を求めます。
重回帰分析 の式を作ると、 予測やシミュレーション に使うことができます。 また、目的変数とそれぞれの説明変数の関係の強さもわかります。
正準相関分析でわかるのは、「目的変数の線形和と、説明変数の線形和の関係の強さ」、 「目的変数の線形和と、それぞれの説明変数との関係の強さ」、 「説明変数の線形和と、それぞれの目的変数との関係の強さ」なのですが、 これが知りたくなるテーマが、筆者にはわからないでいます。
重回帰分析 と 主成分分析 の両方の延長にあるような方法なのですが、それらの方法の発展的な方法として使えるかと言うと、なかなかそうでもない方法のようです。
「図解でわかる多変量解析」 涌井良幸・涌井貞美 著 日本実業出版社 2001
正準相関分析が紹介されている数少ない本です。
重回帰分析、
主成分分析、
因子分析、
正準相関分析、
判別分析
について、式の意味が絵も豊富に使いながら、丁寧に解説されています。
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